[プロフィール]
出身地:京都市
所属サークル:ソフトテニス部
アルバイト:飲食店
好きな音楽:Bump of Chicken
趣味:音楽(ロック)聞く事、ライブにいく!写真を撮ること、星をぼーっとながめること
天文学を学ぼうと決めたきっかけは、小学校高学年の時にプラネタリウムに親と行ったことや、そのとき話題となったヘールボップ彗星を家の台所から親と見て感動したことです。また、親がもともと天文イベントなどの行事が好きで、夜中に起きてしし座流星群を一緒に見てくれたりと、天文学に興味を持つきっかけをくれました。中学生の時も私立図書館へ行き星座の神話の本等をほとんど読みつくすほど星に興味を持ちましたし、私の天文学に対する興味は、物理的な学面よりかは、完全に「ロマン」と言いますか、憧れから入りました。 高校生になって物理を選択したのですが、それがとても楽しくて、おそらく、物理の先生のおかげかと思いますが、天文学は物理の分野でもあるので、実際、大学で何を学びたいかと考えた時に、ずっとやりたかった天文学が自分の進むべき方向なのだとその時感じました。
大学を選ぶとなると、始めは、どこの大学で天文学が学べるのか分からなかったので、ネットで「天文学専攻」とか「天文学科」で検索していたら、国立だと「東大」「京大」「東北大」で学べることが分かりました。そこで、自分のレベルをまず考え、東北大だと思いました。それに、私の一年前に東北大に入学していた先輩がいましたし、高校2年生の担任の先生の知り合いも東北大にいるということで、実際にその方々に東北大の雰囲気等を聞く事ができたので、東北大に興味を持ちました。高校3年生のときには、実際に一人で東北大学を訪れて、先輩に大学を案内してもらったときに仙台の町の雰囲気などを知り、直感で東北大学に進学しようと決めました。
大学の一般教養の授業の中では、神話学入門という授業が思い出に残っています。毎回違う海外の神話を聞くという授業だったのですが、とても楽しかったのを思えています。一方で、英語•数学•物理は大変だったという思い出がありますね。 大学2年生まではとにかく高成績をとる事を考えました。というのは、天文学専攻に進学するには成績が重要となるからです。
実際に天文学専攻に配属されたのは、大学2年後期になったときなのですが、そこで、これまで勉強してきた天体物理の問題を解くというように天文学に関する勉強がやっとできるということでモチベーションが上がりました。特に3年生の後期に受講した天文学セミナーの授業が思い出に残っています。その授業では、グループごとに内容は異なるのですが、私のグループ6名は、ハワイにある、すばる望遠鏡で観測するために観測提案書を英語で書いて提出するという取り組みをしました。具体的には、観測したい対象の天体や何を解明するために観測するのかという理由を論文等から知識を得て書かかなければなりませんでした。また天文学の歴史的背景等の知識や今現在の天文学でわかっているもの・わかっていないものを一から学ぶ必要がありました。これまで、物理の勉強で計算ばかりしていましたが、初めて天文学らしいことができたという嬉しさから、半年間必死になって観測計画書を書きあげました。最終的に観測提案書の評価もらい、実際に観測はできなかったのですが達成感が得られました。
実はこの授業の経験が、大学院で行っている観測天文学の研究にもつながっています。大学院へはもともと行こうと思っていました。その理由としては、天文学を本格的に学べるのが大学3年生の後期からで、4年生の後期にやっと自分のテーマが決まるんですね。つまり、半年で研究をやらなければならない。それだけでは物足りなと感じましたし、何より自分のテーマに関することがもっと知りたい気持ちが強かったので、大学院で2年間、研究をしようと決めていました。私は、観測天文学といって天体を観察することに興味があったので、大学院に入ってからは、「ブラックホールと銀河の進化」について研究しようと決めました。
大学院で自分の研究テーマを突き詰めるために研究活動を行っていましたが、天文学にもともとは、星を見ることが好きという気持ちが今に至っているので、アカデミックというよりかは一般的な天文が好きなんだなと気づきました。修士1年の時に、アウトリーチ活動(科学を一般の方々に普及させようという活動)に参加したことで、天文台や科学館のような場所で働くほうが自分にはあっているのではないかと思いました。そこで、修士1年の9月頃に仙台市天文台の方に天文台の話を直接聞きに行き、天文台で働くことの現状を聞きました。しかし、天文台では、毎年職員を募集しないことや募集したとしても採用が1名のみ、また、契約で任期があるため、数年で他の天文台や科学館に移らなければならない、といった現状を聞き、難しいなと思いました。天文台で働きたいと思っていた自分にとって急に目標がなくなり正直不安になりました。ただ、そこでもう一度何がしたいのかを考えてみた時に、アウトリーチ活動で経験した、一般の人に天文学のことを自分なりにわかりやすく説明することで、それを聞いた相手が喜んでくれるような仕事だったら自分がやっていて楽しいと思えるのではないかと思いました。天文学という言葉をとっぱらってしまって、人に自分が(何か)することで、相手が喜んでくれる仕事。それだったら一般企業でもできることが沢山あるのではないかと思いました。
まず様々な就職サイトに登録しました。ちょうど熱心に就職活動をしていた友達がいてその友達から就活の話を聞いたりしました。その友達と他学部の就職希望者と一緒にグループディスカッションの練習を行ったり、就活の情報交換をしたりしていました。ちょうど修士1年の10月に東北大学川内キャンパスで行われたセミナーに参加したのですが、その時に自己分析の必要性を感じました。そのセミナー以降は、自分を見つめなおすために、例えば、なんで天文学を勉強していたのか、なぜ大学院に行ったのか、どういうことがしたくて就職するのか、といった自分がどういう人間なのかを2ヵ月間程度考えていました。そこから、自分のことがわかって、やりたいことが少しみえてきたように思います。
12月になり、合同就職セミナーに参加して、できるだけ多くの企業を回ってみました。そこで、会社の社員さんに直接仕事内容等を聞くことで、ここは自分にはあいそう・自分にはあわなそうというように企業を絞っていきました。就職活動は私にとって辛いというよりかは、初めて多くの知らない企業を知ることができましたし、実際に社員さんとお話することでよりその企業のことがわかりましたし楽しいことばかりでした。1月から本格的に企業の説明会や面接が始まったのですが、そのときには、合同就職セミナーで絞っていたコンサルティング系、人材系、SEの企業の説明会に行ってみました。実は、天文学出身の人でSEになる人が多いのですが、そのお仕事の中でプログラミングができるだけではなくSIer(システムインテグレーター)のようなコンサルティング系のお仕事もあると聞いたので興味を持ち行ってみました。しかし、実際に社員さんのお話を聞いて人材系の方々と働きたいと思い、1月の時点で、私は人材系の企業にしようと決めました。人材系に決めてからは、リクナビであらゆる人材系の企業を探し、最終的には人材系の企業5社を受けました。
4月からは、東京で転職者のサポートをする仕事をします。もともと自分が(何か)することで、相手が喜んでくれる仕事に就くことは決めていましたので、この仕事は、人生の転機に私が関われることができる、つまり、私が人の人生を(良い方向へと)変えることができると思いました。あと、やはり、合同就職セミナーを通して改めて私は物には興味がないということがわかりました。何かを作っています、売っていますというよりは、人材系のお仕事だと、この「物」を売りますではなくて、この「人」を売りますになるのでそれが魅力的でした。例えば、製品を売るとなるとマニュアルが付き物で、そのマニュアルさえ見れば何ができるのかその機能がわかってしまいます。一方で、人材系のお仕事はその人それぞれでお勧めのポイントが違うわけです。4月から働く場では、私が転職者の職を探し、その人に合った職を勧めることで、相手が喜んでくれることができるそんな仕事だと確信しています。
天文学専攻を志望する高校生へメッセージをお願いします。
努力を怠らないでください。大学受験時はもちろんですが、天文学コースに進むためには入学後も努力が必要です。コース分けは入学後の成績で決まり、年にもよりますが天文は人気です。天文学がやりたいという強い気持ちと努力を忘れないでください!
これから就職活動をする大学生へメッセージをお願いします。
あまり、就職活動のことでビビラないでください。周りが就活の準備や企業を決めたり内定をもらったりし始めるとどうしても焦ってしまうかと思いますが、無理に人に合わせる必要はないと思います。就活をしていると面接などで企業の人にすごく見られて、どうしたらいいのかわからなくなってしまうかもしれません。でも、就活は、企業が自分を選ぶのではなくて、自分が企業を選ぶことでお互いにいい出会いがあったらいいねという考えでいたほうがいいかと思います。そんなにかたくならないで!例えば、面接で落とされてしまったら、私が駄目だったのではなくて、その企業に私があわなかっただけなんだと思えばそんなに精神を削られることはないかなと思います。そう考えていれば楽しく就職活動を終えることができると思います。
最後に、博士課程へ進学する大学院生へメッセージをお願いします。
好きなことやって生きていくというのは本当に幸せなことだと思います。大変なこともあると思いますが、楽しんで!みなさんの活躍を期待しています。